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プロジェクト紹介 Vol.138:大手SI企業様に向けた物流業界における新規事業構築の討議支援プロジェクト

こんにちは!
ライズ・コンサルティング・グループ広報担当です。

今回は、当社が現在ご支援させていただいている、大手SI企業様に向けた「物流業界における新規事業構築の討議支援プロジェクト」についてご紹介させて頂きます。

大手SI企業様に向けた物流業界における
新規事業構築の討議支援プロジェクト

■プロジェクトの背景

現在物流業界では、慢性的な需要過多・人手不足などの課題に直面しています。昨今の新型コロナウイルス影響もあり、物流への需要はさらに高まる一方、ドライバー不足が危機的状況にあります。結果、荷主は従来の運送費では荷物を運べなくなったり、運送事業者はドライバーの働き方改革が従前より叫ばれるようになったり、と物流を取り巻く様々なプレイヤーに影響が出ている状況です。

しかしながら人手不足という課題は、ここ1,2年で急に現れたわけではありません。従前より課題認識はされていたものの、なかなか解決に繋がるサービスが提供されていなかったり、解決策が限定的なサービスが主であったりと、抜本的な解決に向けては不十分な状況が続いていました。

そのような中で、テクノロジーの進展に伴い、物流に係るデータ取得や、取得したデータの一元化による物流全体での可視化が容易になったことで、従前はアプローチできていなかった手法によるサービスが台頭し始めました。これらは主に、ITソリューション開発を主事業とするスタートアップが中心となって、従来の物流プレイヤーを巻き込みながら新規サービスを提供しています。

このような物流全体を取り巻く現状の中で、従来の物流事業者は既存ポジションから脱し、新たなポジショニングやサービスモデルを描く必要が出てきています。今回のプロジェクトでは、大手SI企業様を介し、物流事業者様に向けて、従来のハードウェアを中心とした事業領域から、物流における新たなモビリティサービスをどのように構築していくか、事業機会はどこにあるか、その方向性を討議すべく、ディスカッション資料の作成やファシリテーション等のご支援を実施させて頂くことになりました。


■クライアントの課題に対してどういう想いを感じたか?

物流領域は今、様々な課題を抱えているのに対し大きな先進事例も少ない領域です。当初この話をいただいた時は、雲をつかむような得体のしれない領域への不安と、様々な可能性を秘めた希望を感じました。

先行事例の少ない領域への参入はリスクも高く、不安も付き物ですが、課題の明確化・可視化を行い、仮説設定と検証・討議をスピーディーに繰り返すことで、不安解消とともに可能性を広げていきたいと思い、支援のご提案をさせて頂きました。


■RISEのアプローチ

クライアントとなる大手SI企業様が物流事業者様とインタラクティブに討議を進められるように、そして、物流事業者様が狙うべきビジネスポジショニングや提供価値について以下3点を明確化しました。

1. 業界構造:物流バリューチェーンの整理
2. プレイヤー動向:プレイヤー整理とサービスモデルのベンチマーク調査
3. ユーザーニーズ:顧客業種の整理と訴求する提供価値の明確化

物流というと一般的には、Amazonやヤマト運輸のイメージが強いかもしれませんが、実は2社が物流業界の中でカバーしている領域はほんの一部です。

物流には大きく
①調達物流、②生産物流、③販売物流、④静脈物流

が存在し、その中で
(1)場内物流、(2)幹線物流、(3)軒先物流

に分かれます。(ヤマト運輸のメイン領域は、販売物流×軒先物流)

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そういった全体像の中で、どの領域の、どのプレイヤーが、どんな課題を感じているのか、その課題解決に向けた新規のサービス・プレイヤーを抽出し、傾向を捉えました。課題の把握については、特にコスト構造から物流の主要プロセスに対し、どの部分で特にコストがかかっているか、さらにはそのコスト項目は何かという観点で可能な限り定量的に可視化し、既存プレイヤーの取り組みをプロットする形で、整理しました。

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こういったコスト構造に基づき、収益面からアプローチすべき事項、物流プレイヤー(荷主、倉庫事業者、運送事業者)が抱える主要課題を突合し、複数のプラットフォーム案を構築。その中で既存プラットフォーマーが実現できている/できていない領域を明確化し、選定事業者にとってプラットフォーマーとしての新規参入余地や参入する際の取り組み等を仮説ベースで構築しました。


■何が大変だったか?そのときどういう想いで働いていたか?

本案件は他の戦略案件と比べ、

①課題を体系的に可視化すること
②仮説ドリブンで事業機会を構築していくこと

といった点に特に難しさを感じました。

前者については、本プロジェクトの最初のアプローチとして、物流業界の構造を可視化する必要があり、プレイヤーがかなり多い物流業界を、ある程度網羅的に、そして納得感がある形で整理する必要があり、断片的な情報をどのようにつなぎ合わせ、全体観を示すかといった点が特に苦労しました。ある程度リサーチを進めていく中で、点と点が繋がる感覚を実感しました。

後者については、コンサルタントの価値でもある、So What?を、いかにロジカルに、そしていかにクライアントに刺さる形で構築するか、特に苦労しました。コンサルタントの実施するリサーチとは、仮説を検証することであり、闇雲に調べるのではなく、仮説を立てそれに基づき、ファクトを集めるというものです。(極端な話ですが、嘘でも良いので)しっかりと自分の中で仮説を持ち、検証しながら仮説をブラッシュアップしていく、初期に習うこの姿勢の重要性を改めて痛感させられました。


■プロジェクト成果

複数回、討議を重ねたことで、クライアント企業と物流事業者様とで、どのような座組で何を取り進めていくか、双方でイメージをすり合わせることが出来ました。

加えて、既出のテーマに限定せず、検討を重ねる中で導出された事業機会や、課題解決へのアプローチ等、当社のScopelessを彷彿とさせる真にクライアントにとって価値のある仮説構築に貢献することが出来ています。


■プロジェクトを通じて、自身の感情にどのような変化があったか?

本プロジェクトは、当社のコア事業である「新規事業支援」に該当しますが、

「いかに筋の良い仮説を構築し、その仮説を最短ルートで検証していくか」

を体現したような案件に感じます。

当社は総合コンサルティングファームで、幅広い業界/幅広いテーマの案件を取り扱っておりますが、すべての案件に共通するコンサルタントのコアスキル「論点思考/仮説思考」について、特に重視されるのが新規事業支援です。その中で、上記の通り「筋の良い仮説を最短ルートで検証していく」ことがROI高く、新規事業の創出、強いてはProduceNextに貢献していく最適解だと改めて実感いたしました。

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