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いま注目のプロセスマイニング、その特徴や活用方法とは?

こんにちは!
ライズ・コンサルティング・グループ広報担当です。

本記事では日本でも注目が高まりつつある「プロセスマイニング」についてご紹介します。
前半部分で「プロセスマイニングとは何か?」、後半部分で「プロセスマイニングの主要ベンダー」についてご案内します。

1.プロセスマイニングとは何か?

■プロセスマイニングの定義

 プロセスマイニングとは、一言で言うと「業務可視化や業務効率化を支援する手法」を指します。

 プロセスマイニングでは、データマイニングという技術を用いて、業務で利用するソフトウェアシステムに記録されている「イベントログ」から業務を理解することで、業務プロセスにおける関係者が誰か、誰に業務が集中しているか、各アクティビティとその順番、各アクティビティにかかる時間、標準的な処理パターンから逸脱したプロセス及び、その発生確率などが可視化できます。

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(業務可視化のイメージ:Cognitive Technology社webページより、
https://www.my-invenio.com/why-are-we-different)

■注目される背景と日本における現状

 ここ数年で、「働き方改革」、「業務効率化」、コロナ禍においては「DX」、「デジタル化」といったキーワードが多く聞かれるようになり、多くの企業様でも何らかの活動に取り組まれているかと思います。特に、RPAの導入に取り組まれた企業は多くあると思いますが、思ったほどの成果が出ていないことが多いのではないでしょうか。

 RPAを導入し成果を出すためには、どの業務をRPA化の対象とするべきかを最初に調査しなければなりません。コンサルタントなどが現場へのヒアリングを通じて業務プロセスを可視化し、RPA導入業務を選定しますが、コストもかかりますし、ヒアリングを受ける側の現場の負荷も高くなってしまいます。

 そこで、注目されるのが「プロセスマイニング」です。プロセスマイニングツールによって、RPAをどの業務に導入すると高い効果が得られるか、どの業務をデジタル化すべきかを容易に発見することができます。

■日本でのプロセスマイニング導入が欧州に遅れた理由

 そんな夢のようなプロセスマイニングツールですが、日本での導入実績はまだ少ないのが実態です。その理由は、ERPの導入が欧州よりも遅れていることにあると考えられます。

 プロセスマイニングの導入の前段階として、十分なイベントログを収集する必要があります。最低限必要な項目として、分析対象業務の、ID(業務単位で付与される番号)、アクティビティ(業務を構成する行動)、時刻(タイムスタンプ)を数年分揃えておく必要があり、通常、これらのデータはERPに蓄積されています。

 日本では、現場主導で部分最適が進んできたこともあり、各部署で別々のシステムを導入する事例が多く見られます。その結果、プロセスマイニングに必要なデータの蓄積が進まず、プロセスマイニングの導入も遅れています。

 日本企業においてもERPの導入が進みつつありますので、今後、プロセスマイニングの導入が加速していくと考えられます。既にERPを導入している企業においては、他社に先んじてプロセスマイニングツールを導入するチャンスとも言えます。

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■プロセスマイニングの特徴

 プロセスマイニングは、人手で業務可視化を実施した場合と比較して「正確性」、「即時性・継続性」及び「網羅性」に優位性があります。

① 正確性
 コンサルタントを投入して行うヒアリングでは、業務プロセスが複雑であればあるほど、業務担当者とヒアリング担当者との間に認識のずれが生じるため、正確に業務を可視化できない問題がありました。プロセスマイニングではイベントログをインプット情報とするため正確に業務を可視化できます。
② 即時性・継続性
 プロセスマイニングツールを使うことで、イベントログデータの作成とほぼ同時に業務が可視化されます。また、業務プロセスに変更があったとしても、再度イベントログデータを読み取り、可視化されたプロセスは最新の状態で維持されます。
③ 網羅性
 人手による業務ヒアリングでは、全ての業務についてのヒアリングは時間的な制約もあり困難です。プロセスマイニングツールでは、イベントログに残された膨大な業務パターンの読み取りができるので、頻度の低い例外処理やローカルルールなども含めて、網羅的に業務を可視化することができます。

■プロセスマイニングの利用シーン

 プロセスマイニングは、日本国内での導入例は少ないものの、海外では多くの導入例が多く見られます。業界問わず広く導入されていますが、これまで説明してきたように業務プロセスの可視化・効率化を目的として使われることが一般的です。

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 業務効率化以外にも、業務可視化を起点に様々なことが実現できると考えています。業務効率化の効果だけではROIが成り立たないという場合でも、「収益の向上」「コンプライアンス強化」といった側面も訴求することで、導入に向けた社内承認が通りやすくなる可能性があります。

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2.プロセスマイニングの主要ベンダー

 ではプロセスマイニングを提供するベンダーには、どのような企業があるのでしょうか?以下では、主要なプロセスマイニングベンダーを紹介していきます。本記事で紹介する企業以外にも多くのベンダーが存在しますので、どのベンダーへ依頼するか迷われた際は、当社へご相談頂ければ幸いです。

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●Celonis(独)

 Celonisはプロセスマイニングツールのトップシェアを誇る企業です。著名な導入先にはSiemensやVodafone、Uberなどがあります。日本企業だと、KDDIやミスミに導入実績があります。

 2019年に日本法人を設立。ITコンサルティングサービスを提供するZEIN株式会社や翌年2020年にはシステムコンサルティングAiritech株式会社、他、ソリューションベンダーのCTCや多数のコンサルティング会社と提携して日本国内での展開に着手しています。

 SAPとの連携に強みがあり、SAPや米Oracle等のERPや、米Salesforce.comのSFA(営業支援)などの代表的なサービス向けのテンプレートを持っています。オンライントレーニングプログラムの日本語化を進めているところで、2020年末の提供を予定しています。

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(出所:https://cloud.watch.impress.co.jp/docs/news/1256946.html)

●Cognitive Technology(伊)

 Cognitive Technologyはリサーチ・アドバイザリ企業であるGartnerから「プロセスマイニングの代表的ベンダー」として評価されており、既に600社以上への導入実績があります。製品名は、myInvenio。
 
 また、日本では2019年にDXソリューションの開発・販売・保守を手掛けるハートコア株式会社とプロセスマイニングツール「myInvenio」の独占販売代理店契約を締結しました。製品は日本語化済みで、日本語版マニュアルも用意されています。

 さらに、シミュレーション機能を有しており、イベントログから再現されたas-isプロセスについて、業務の流れを改訂、あるいは一部の活動をRPAによって自動化した場合に、どの程度、所要時間の短縮や業務コストの削減が見込めるかをシミュレーションすることが可能です。

 イベントログが残っているものだけではなくPC上で実行されるプロセスからタスクを抽出することもできます(タスクマイニング)。

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(出所:https://rpahack.com/processmining-3)

●Signavio(独)

 SignavioはプロセスマイニングなどのDXソリューションを提供する企業で、DHLやPUMA、BOSCHなど1,000社以上への導入実績を持ちます。2019年にはGartner peer insights(製品ユーザが製品に対してレビューを行えるプラットフォーム)の「エンタープライズビジネスプロセス分析部門」において顧客から高い評価を受けた企業として選出されました。

 日本では2019年に業務プロセス効率化のソリューションを提供する株式会社NTTデータ イントラマートと製品ラインナップの強化や共同でのマーケティング実施を目的に、パートナー契約を結びました。

 また、Cognitive Technology 社のmyInvenio同様にシミュレーション機能を有しています。

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(出所:https://www.signavio.com/products/business-transformation-suite/)

●UiPath Process Mining (米)

 UiPathといえば、日本でRPAのトップシェアを誇る企業です。同社は2019年にプロセスマイニングベンダーであるProcessGold社の買収により、「プロセスマイニングで効率化に余地のある業務を特定し、RPAで効率化を図り、RPA導入後の効果をプロセスマイニングで測定する」一連のソリューションを提供できるようになりました。

 日本語のハンズオンテキストを無償公開しており、RPA同様にローカライズに注力しています。RPAツールとしてのUiPathと連携し、プロセスのRPA化率を表示させることもできます。

 現時点では、同社のプロセスマイニングに関する情報はあまり出ていないのですが、RPAツールで成功したように、UI設計に強みを持つ同社がプロセスマイニング領域でもシェアを大きく獲得する可能性があると期待しています。

3.最後に

 当社は、NewTech施策と呼ばれるチームを中心に最新のテクノロジーに関する調査やサービス開発を常に行っており、ツールの導入支援だけではなく、新しいテクノロジーを踏まえた戦略策定、新規事業立案、業務改革等のご支援の実績を多数有しています。

 ライズ・コンサルティング・グループでは、最新のテクノロジーに強みを持つ方や関心のある方を積極的に募集していますので、一緒に働くことに興味を持たれた方は、是非、当社HP及び採用ページをご覧になってください。

ライズ・コンサルティング・グループ採用ページ


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