プロジェクト紹介 Vol.139:大手生命保険会社様におけるデジタルマーケティングの戦略立案支援
こんにちは!
ライズ・コンサルティング・グループ広報担当です。
今回は当社がご支援させて頂いております「大手生命保険会社様におけるデジタルマーケティングの戦略立案支援」についてご紹介します。
大手生命保険会社様における
デジタルマーケティングの戦略立案支援
■プロジェクトの背景
昨今の新型コロナウイルスによる影響を受けて、消費行動はかつてないほどのスピードで変化しております。これまでリアルで実現することが当たり前だったことが、当然のようにデジタルで行うようになってきています。これに伴い、数多くの企業が、顧客起点から価値を見直し、デジタルシフトに対応するための経営戦略の再構築が迫られております。
特に、対面営業を中心としていた金融業界、生命保険業界にとっては影響が大きいです。従来の主要チャネルであるリアルでの顧客接点が著しく制限されたからです。そのため、マーケティング活動においても、デジタルとリアルの融合を進め、Afterコロナ時代にむけて全体最適を図っていく必要があります。
幅広い視野で新しい顧客体験の設計だけでなく、デジタルマーケティングにおける現状の課題分析を一気通貫で実施していくことは容易なことではありません。そこで、顧客を起点にしたマーケティング戦略の検討・策定の実績を豊富に持つ弊社をパートナーに選定いただきました。
■クライアントの課題に対して感じた想い
新しい顧客体験を設計するにあたり、仮説思考でと並行して、クライアントへのヒアリングを集中的に実施しました。世間では、様々なAfterコロナ時代の生活様式や顧客体験像が議論されていますが。やはり手触り感のあるかたちにするには、現場を知っているクライアントとの議論は欠かせません。
正直、正解が必ずしも1つでないお題のなかで、クライアントと解決策をすり合わせることはとても大変に感じました。しかし、クライアントとひざを突き合わせ、ディスカッションを行いながらワークを進めること。これはRISEが強みとしている「Hands On Style」がまさに活きるところです。
クライアントに深く入り込み、いかに実現性の高いソリューションを提示できるかが、プロジェクトの明暗を分けると感じました。
■RISEのアプローチ
本プロジェクトは、以下の3つのステップに沿ってご支援をさせていただきました。
① ペルソナ像の策定
今回のアプローチでは、ターゲットの感情や行動を起点として、カスタマージャーニーを描いていくため、ペルソナ像は細部まで設定することが求められていました。そこで、デスクトップリサーチでの情報収集だけでなく、クライアントとの討議を通して、できる限り実態に即したペルソナ像の策定を行いました。
② カスタマージャーニーマップの作成
次のステップでは、カスタマージャーニーマップ(以下:CJM)の作成を行いました。CJMとは、顧客の消費行動における感情の起伏や思考、ペインポイントを可視化し、各タッチポイントでの課題を明らかにすることで、顧客体験のあるべき姿を描くためのツールです。企業視点ではなく顧客視点で企業の在り方を見直すために有用な手段のひとつになります。
具体的には、先のアプローチで策定したペルソナの視点からCJMを作成し、体験プロセスごとに現状の課題を把握することで、どのタッチポイントで顧客がペインを感じているのか、何が原因になっているかを特定しました。結果として、プロセスごとの主要課題を浮き彫りにすることで、課題解決の方向性を定めました。
③ 施策案の検討
最終ステップでは、CJMの作成の過程で把握した現状課題に対して、デジタルマーケティングの最新事例や競合他社の事例を参考に実行すべき施策の洗い出しを行いました。その後、各施策を実現性や実現までにかかる工数、得られる成果などを評価軸として優先順位をつけました。その際に、各施策案に対してクライアントと討議を重ねながら優先度を決めることでクライアント様の主体性を醸成し、戦略の検討、策定を行いました。
全てのアプローチに共通する点として、クライアントと密に連携しながら討議を中心に検討を進められたことが、最終的にプロジェクト成功の大きな要因につながったと感じています。
■大変だったこと、その時に感じた想い
「保険」という商品の性質に合わせた施策内容の検討が、プロジェクトの大きな1つのポイントでした。保険業法などの法規制を考慮した施策の考案においては、口コミやSNSで共有を促すことが難しい中でどのようなアプローチを行っていくかのアイデアが求められました。
クライアントから過去事例、他社事例を複合的に施策に落とし込むことにより、その壁を越えました。一般論に留まらない、RISEらしい切り口だったと思います。
■プロジェクト成果
本プロジェクトのゴールは大きく2つありました。
・現状の顧客体験を可視化すること
・ToBe像を実現する上での課題を浮き彫りにすること
前者に関しては、クライアントと密にコミュニケーションを取り、討議・検討を進めたことで、現状の顧客体験においてどの部分に改善の余地があるかを明らかにし、顧客理解の深度を深めることができました。
後者は、日ごろの業務の中で課題を感じてはいるものの、個々人の中に留まり、部署全体としての課題認識の統一ができておりませんでした。
今回のプロジェクトを通して、あるべき姿を実現するために解決すべき課題と解決方針に対する部署全体の共通認識ができた、とクライアントにご評価いただけました。
■プロジェクトを通じて
今回のプロジェクトは少人数で遂行しました。現場で中心的に動いたのは、若手のコンサルタントです。
当然、シニア層は品質管理の観点でサポートしますが、若手のコンサルタントの活躍が不可欠です。彼自身、「裁量の余地が大きい仕事に携われることを実感できた。」と充実感に溢れていました。
RISEとしてもAfterコロナ時代を見据えた顧客体験の再設計は、難易度としては高い課題でしたが、これまでのデジタルマーケティングの知見とRISEらしいアプローチを組み合わせることで、クライアントに価値を提供することができました。
金融業界にかかわらず、顧客体験の設計やデジタルマーケティングで課題を感じている方は、是非一度、RISEにお問い合わせ頂ければと思います。