【プロジェクト紹介162】大手部品メーカー向け「CRM導入支援」
こんにちは!
ライズ・コンサルティング・グループ広報担当です。
今回は、現在当社が大手部品メーカーに向けて行っている「CRM導入支援」についてご紹介します。
実際にプロジェクトに参加したコンサルタントから、開始の背景や支援の内容、進めていくうえで難しさを感じたことや、これまでの成果について話を聞きました。
■プロジェクト開始の背景
近年製造業界では、コロナ渦・ウクライナ問題を発端としたサプライチェーンの抜本的な見直しや、3Dプリンターやデジタルツインといった新技術の活用など、様々な外部要因に合わせた経営活動の転換を通じて、競争力の強化を図る企業が増加しています。
その中でもBtoB企業では、現在も代理店ネットワークを中心としたビジネスモデルが主流であり、代理店販売以降の再販情報(代理店の販売先や販売製品などの情報)やエンドユーザーのニーズ/課題を把握・管理しきれないことが、企業の持続的成長を妨げる要因となっています。
企業成長に向けた取り組みとして挙げられる例は次の通りです。
確度の高い需要予測から生産計画への展開
マーケットインでの製品開発・既存製品改善体制の構築
データを活用した経営予測・シミュレーション
本記事でご紹介する支援事例は、グループ企業全体で代理店・エンドユーザーの顧客情報を経営資源化することで、データドリブン経営への転換を目指している企業です。
同社では既に顧客情報の一元管理に向けてCRM(顧客管理システム)の導入初期が完了しており、販売部門が中心となって活用しています。
次のステップとして、顧客情報をサプライチェーン/エンジニアリングチェーンの上流プロセスへ還元し、生産計画の高度化や新製品開発体制の強化を実現することを目指していました。
さらに、グループ企業も含めたCRMの活用で、経営体制を筋肉質な状態へと転換したいと考えていました。
当社はこれまでにも同社のグループ企業・複数部門利用を前提とするCRM導入支援を行っており、この内容を評価していただけたことから、今回新たにご支援させていただく運びとなりました。
■支援の内容
今回の支援では、顧客データの利活用における全体構想とCRMのシステムにおける位置づけを明確化し、経営判断に必要なアウトプットを出せる仕組みを構築することが重要でした。
上記を踏まえ、以下の3ステップでご支援いたしました。
① 将来構想に基づくCRM導入シナリオの作成
まずはCRMを単なる顧客管理システム導入だけで留まらせないために、データドリブン経営を進める上で目指したいシステム構成や活用すべき情報をヒアリングし、最適なCRM導入シナリオを策定しました。
ここでは、中長期的な展望と短期的な成果の双方を考慮し、本プロジェクトの実施スコープを明確化することが重要です。
② グループ企業・複数部門でのアウトプットの定義
システムの位置づけや役割を定義した後は、複数部門でのデータ活用が可能となるCRMでのアウトプットの定義が必要です。アウトプットを受け取る部門がきちんと活用できるデータになっていなければ、販売部門がせっかく顧客情報をインプットしても全く活かせず、形骸化してしまいます。こうならないために、必要となるアウトプットから逆算した入力データの構造や粒度を整理しました。
③ トップダウンとボトムアップの組み合わせによる要件の確定
上記①~➁ではCRMで必要となるアウトプットをトップダウンで検討し、既存オペレーションの延長上の“改善”ではなく”改革”に繋がるような大前提を整えました。
その後、実際に活用する現場の要求や意見を組み合わせ、業務要件・システム要件を最適化しました。このアプローチにより、適切なシステム要件を効率的に整理し、開発期間や予算の最小化につながりました。
■プロジェクトを進めるうえで大変だったこと、それをどうやって乗り越えたか
本プロジェクトには、多くのステークホルダーが参画し、グループ企業や複数部門でのデータ活用方法・認識合わせが必要不可欠でした。そのため、ステークホルダーマネジメントや関連組織との合意形成を各検討段階に組み込み、迅速かつ高精度に実施することが課題でした。
そのため、ボードメンバーに対し直接ヒアリングやディスカッションをさせていただく機会を設け、クライアントと共に価値を生み出せるシステム構想の具体化を進めました。
また現場メンバーに対しても、報告頻度の向上と認識合わせの徹底を図り、複雑で煩雑なプロジェクト進行を乗り越えました。
ライズの独自手法である「More than Reports」や「Hands – on Style」といった強みを生かし、経営パートナーとして実需に即した伴走支援を実施することができたと思います。
当社の独自手法はこちら
https://www.rise-cg.co.jp/firm/our-approach/
■現時点でのプロジェクト成果と今後目指していること
これまでの取り組みにより、顧客情報を経営活動に還元するためのシステム導入シナリオの策定やシステム要件定義、経営戦略を実現するための業務フロー設計が進み、検討フェーズを短期間で完了させることができました。
システムリリース後は、グループ企業・複数部門間での活用により、差別化システムとしてトップラインの向上に寄与することを目指しています。最終的にはAI/BIなどの戦略システムと組み合わせることで、容易に経営シミュレーションが出来るシステム構築へ繋げる予定です。
ライズ・コンサルティング・グループは「Produce Next」をミッションに掲げ、様々な業界・テーマにおいて未来を見据えた戦略策定・実行支援を積極的に進めています。
時にはCxOの右腕として活躍するなど、大きな裁量を持ってプロジェクトを実行するチャンスもあり、やりがいを持って意欲的に働いている社員が多く在籍しています。
当社は働き方や雰囲気など、RISEについての疑問を現役社員に直接聞くことができる「カジュアル面談」を随時行っていますので、ぜひお気軽にご応募ください!お待ちしています。