ベガルタ仙台様_SDGsカンファレンス開催レポート
こんにちは!
ライズ・コンサルティング・グループ広報担当です。
本日は、先日実施されたSDGsカンファレンス「スポーツを通じたSDGs~サポーターや地域社会との価値共創~」についてお知らせします。スポーツクラブを運営するベガルタ仙台様、SDGsの専門家である株式会社国際開発センター(IDCJ)様をお招きした特別セミナーとなりました。
開催の背景
当社は、コンサルティングファームとして、持続可能な社会の実現に寄与するべくSDGsの取り組みにも積極的に力を入れています。
当社の社是である「Produce Next」には、「日本の再生」のために「次の未来を創造する」という思いが込められております。当社はサッカーでの活動を軸に東北の復興に貢献してこられたベガルタ仙台とサステイナブルパートナーシップを結んでおり、ベガルタ仙台様の「SDGs基本指針」策定もご支援いたしました。
これからも、「スポーツを通じたSDGsの実践を続けているベガルタ仙台様の魅力をもっと発信していきたい」という想いに加え、「SDGsの専門家から方法論、実効的な会社・地域の巻き込み方を伝えていきたい」と考え、セミナーの開催に至りました。
セミナーでは、IDCJ様より、「 SDGsセミナー ~SDGsを経営に活用する~」と題した基調講演とベガルタ仙台 代表取締役社長の佐々木知廣様、当社代表取締役社長 北村俊樹とのパネルディスカッションを行いました。本日は当日の内容について詳しくご紹介いたします。
「SDGsセミナー ~SDGsを経営に活用する~」
前半パートでは、SDGs経営コンサルティング、セミナー講師派遣、開発途上国におけるSDGsビジネスサポート等を展開するSDGs室所属、岡本麻代さまによる基調講演でスタートしました。その中で、経営にSDGsを活用するにあたっては「過去の実績を整理し、自社の事業と活動を紐づける」ことの重要性、そして「将来像を描き目標を設定」するための未来設計が求められることをご説明いただきました。
まず、「過去の自社の実績を整理する」にあたっては、SDGsが設定している17のゴールを無理の紐づけようとすると範囲が広すぎてしまい、自社活動との関連性があいまいになってしまいます。それぞれ自社が持つ経営のターゲットと事業活動との関連性を見つけるために、ワークショップ等で抽出したターゲットリストから、マトリックスを使って優先度を絞り込み、ステークホルダーへの意見聴取を踏まえ、目標を特定していくプロセスが効果的であることを説明いただきました。
続いて、「将来像を描き目標を設定する」にあたっては、10~30年後を見据え、会社として「どうありたいか・どうあるべきであるか」を検討することが重要であると説明いただきました。
そのためにも、企業が持つ事業活動のバリューチェーンを検討し、その中で取り組まなくてはならない優先課題についてのリスクと機会を特定し、それらを整理していくことで、企業としての将来像を設定していきます。
また、こうした取り組みは、投資家や従業員の枠組みを超えた多くのステークホルダーに発信することで効果を発揮していきます。各社様によるサステナビリティレポートなど、自社の取り組みを伝える冊子の発行も大幅に拡充しており、コミュニケーションの質も量も変化しています。SDGsは単なるラベル付けや本業とかけ離れたアプローチではなく、自社としてありたい姿、目指したい目標に向けてどう進めていくか、を具体的に考え行動するプロセスだとお話いただきました。
ベガルタ仙台×ライズ社長対談
後半パートでは、岡本様によるリードのもと、パネルディスカッションを通じて、ベガルタ仙台様、ライズがそれぞれ考えているSDGsの取り組みについてご紹介いたしました。
興味深いトピックが多く登場しましたが、ここでは質問に回答する形でご紹介いたします。
ベガルタ仙台が5つのSDGs基本方針を設定するにあたって考慮した背景とは?
佐々木:ベガルタ仙台として、SDGsに取り組むにあたって、言葉は知っているが、何のために取り組むのかの理解が進んでいませんでした。どこから手を付けて良いか分からなかった状況の中、スポンサーであったライズに相談をしたところサポートを快諾していただき、そこからベガルタ仙台としてSDGsへの取り組みが加速しました。日々の業務に追われている中で、新たな仕事を作る、という意識を作っては上手くいかないと感じていた中で、「なぜやるのか」という納得感の醸成や一人ひとりにとってSDGsを「自分ごと化」することを重視して社員に語りかけて落とし込んでいきました。仙台は高齢化が全国的に群を抜く速さで進行しており、お客様がスタジアムに足を運んでくれなくなるかもしれないという危機意識を募らせておりました。そのため、SDGsへの取り組みはベガルタ仙台にとっての生存戦略のひとつであり、そこからよりクラブ全体としての意識も大きく変わっていったのではないかと思います。私はリスク管理の業務に経験していたこともあり、ベガルタが持つバリューチェーンをマッピング、カラーリングをすることで、ベガルタ仙台にとって重要な課題を特定し、SDGs基本方針を3、4、11、12、17の5つに絞っていきました。
ライズが取り組んでいきたいSDGsゴールとは?
北村:コンサルティング会社として、経営課題という論点を設定し仮説思考で解決を進めるというプロセスはもちろん実施しておりますが、世の中で解くべき論点はすべて「幸せであるかどうか」に凝縮されるものと考えております。その中で発生する経営課題はすべてサブイシューだと考えており、ベガルタ仙台さんで申し上げると、「サッカーを介して関わる人々を幸せにする」ことが最大のイシューであると考えています。これが真のSDGsの概念であり、各ゴールは人々が幸せであり続けるために自分たちで何が出来るかを追求し、持続的な情熱を傾けていくことではないでしょうか。
当社では、SDGs基本方針のうち8、9、17の3つを重視しています。当社が取り組むことの多い新規事業やNew Techコンサルティングは、時代の潮流を作り、次の世代に向けて残していきたいという想いを実現する9に該当します。17については、一企業では限界はあるものの、パートナーとつながることで、新しい世界を作っていきたいという想いを、8は、Capabilityの最大化を目指し、きっかけや制度作りを進め、我々と関わる人々には、より良い人生を送ってほしいという想いを実現するものとして目標に設定しております。また、ベガルタ仙台さまとも協力して、宮城県内のとある自治体と連携して地域活性や経済成長に結びつけていきたいと考えております。
ベガルタ様が取り組んでいらっしゃるSDGsの取り組みとライズが考えるベガルタ様の価値についてお聞かせください
佐々木:ベガルタではスタジアムを核とした泉中央地区の活性化という方針を掲げております。近々、スタジアムの改修を予定しておりますが、地域の方の意見を収集する「ワイガヤの会」を設定し、次回はSDGsをテーマにした討議をいただきます。将来的にはSDGsスタジアムと呼んでいただけるようなスタジアムにしていきたいと思っており、地元の方と共生した場を作っていきたいと考えています。
北村:ベガルタさまの価値は東北に存在するクラブであること、震災からの復興という2点が大きな価値であると考えます。私自身、幼少期からサッカーに親しみ、多くのスタジアムにも足を運ぶことでサッカーが生み出す感動を肌で感じてまいりました。当社としても、ベガルタ仙台さまが進めている取り組みの姿勢に共感し、パートナーシップを組ませていただいた経緯もあり、今後も一緒にSDGsに向けて実績を積み重ねていきたいと思っております。
佐々木:ベガルタは市民クラブであり、地域の声を聴き運営していくというメッセージを発信しております。東日本大震災を経験したクラブとして防災という観点は忘れてはなりません、そしてスポーツが与える幸せ、感動をどう提供できるかを徹底的に考えて、形を変えて提供していくことを追求することが「ベガルタが仙台に存在する」意義だと考えております。将来的には、「この街であなたが残したいものは何か」を問われた時に、「ベガルタ仙台」と言ってもらえるようなクラブにしていきたいと考えています。それがSDGsに貢献する意義であり、我々の存在意義でもあります。
カンファレンスを終えて
SDGsは取り組むにあたって、方法論や課題解決に向けたプロセス等様々な要素があり、経営目標の達成や経営課題の解決に取り組むことも重要ではありますが、それ以上にSDGsを「自分ごと」として捉えること、「幸せ」を実現するために何が出来るかという考え方を持つことでより具体的なアクションが見えてくるのです。IDCJ様からの講演や、佐々木社長のベガルタ仙台の取り組みの事例を伺うことで、具体的に何から始めて、どのように活動者の意識に落としこんでいくかについて明確になったのではないでしょうか。参加者からも、「SDGSの意義を常に再確認することの大切さ、そして、見える化、自分ごと化で、従業員が自ら主体的に取り組むよう意識づけすることを学べた」、「『どう自分ごと化させるか』についての重要性とその手法が興味深かった。」といった声をいただきました。
ライズ・コンサルティング・グループでは、SDGsへの取り組みを通じて持続的な社会の発展に貢献するという取り組みを強化しております。サステイナブルパートナーシップを締結したベガルタ仙台様とも今後取り組みを充実させていくことで東北地方の発展に貢献したいと考えております。SDGsに関する取り組みに課題をお持ちの企業・団体様、お気軽にライズ・コンサルティング・グループまでお問い合わせください。
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