プロジェクト紹介Vol.126:大手金融機関向けAIソリューション導入支援
こんにちは!
ライズ・コンサルティング・グループ広報担当です。
今回は、当社が過去にご支援させて頂きました、大手金融機関に向けたAIソリューション導入支援プロジェクトについてご紹介させて頂きます。
大手金融機関に向けた
AIソリューション導入支援
■プロジェクトの支援に至った背景
弊社のクライアントである大手金融機関様は構造改革を進めており、今後のお客様へのサービスのあるべき姿を描き、デジタルテクノロジーを活用したペイヤーモデルからパートナーモデルへのパラダイムチェンジを検討・推進しています。
そうした検討の一環として、AI画像認識を活用することで特定領域における査定業務の一部自動化を推進しようとしており、その支援パートナーとして当社にお声掛けいただきました。
■クライアントのニーズ・課題
クライアントのニーズ・課題は以下の3点でした。
1. クライアントがAIソリューションを導入しようとしていた領域の査定業務プロセスは複雑であり、現場の暗黙知や経験に頼る部分も大きいため、クライアント自身も業務内容や業務時間といった実態を正確に把握できていませんでした。さらに、これによりAIソリューション導入時の効果を短期的にも長期的にも正確に検証できないことが課題でした。
2. 査定業務自体はクライアントの子会社が行っており、その子会社はAIソリューション導入以外の幅広い方法による業務改革を求めていました。
3. 上記のように、クライアント(=本社)と子会社の思惑や足踏みが必ずしも一致していない中で、どのように折り合いをつけて本プロジェクトを推進していくのかの調整役が求められていました。
■ライズのアプローチ
3点の課題をクライアント・子会社の双方が満足する高いレベルで並行して進めることに本プロジェクトの難しさがありました。そこで、弊社の特徴である柔軟性・迅速性を最大限に発揮し、クライアントと一体となって、プロジェクトを推進しました。 具体的には、以下のアプローチで進めました。
✓業務プロセスの把握・仮説構築
複雑な業務プロセスを丁寧に分解し、上記の効果検証に必要な単位で業務内容を可視化し、どの業務にAIソリューションが適用され、どのような効果を発揮するか仮説を構築しました。
業務プロセスの分解に際しては、AIソリューションの効果を正しく検証できるか?次ステップの現場観察や業務インタビューで正確に把握できるか?という2点を高いレベルでクリアすべく、クライアントおよび子会社と協議を重ねました。この間はコロナ禍によるリモートワークが進んでおり、オンライン会議も増えたため、その分資料作りであったり、具体的なアジェンダを設定したりすることで、対面での打ち合わせと同等のクオリティを保つよう心掛けました。
✓現場観察・業務インタビュー
前段階ですり合わせた業務プロセス毎の業務時間や課題を、実際に現場に赴き、業務をしている様子を隣に一日張り付いて観察することで把握しました。業務を把握するために実際に業務をしている現場の様子を一日中観察するアプローチをとるというのは、クライアントと二人三脚で支援をする弊社ならではのやり方で、ここまでやるコンサルティング会社は中々ないかと思います。
現場観察で足りない分はインタビューで補完しました。その際のヒアリング内容も限られた短い時間の中で最大限の情報を得られるよう、質問項目についてクライアントと議論し、準備しました。
✓業務の可視化と課題の提示
現場観察・業務インタビューを元に、細かいアクション単位で業務内容と業務時間を可視化。これにより、短期的にAIソリューションが適用できる業務範囲とその際の業務効率化時間を明らかにしました。可視化の際には、子会社の要望であった課題・ソリューションの提示には、真因分析という手法を用いることで表面的な課題だけでなく、その裏にある表面上の課題をもたらしている真因について議論を重ねました。表面的な課題にパッチワーク的にソリューションを充てて終わりではなく、より深いレベルでの業務改革を行うべく議論を重ね、解決策を考えるのは常にクライアントと一体となりプロジェクトを進める弊社ならではのやり方です。
✓中長期的な効果の分析
AIソリューション導入による効果を短期的に明らかにしただけでなく、可視化した各業務内容と業務時間を元に中長期的な効果もシミュレーションし、費用対効果を分析しました。
シミュレーションの際には、AIソリューションの適用範囲をどのように広げると効果が最大化されるのかについて、様々なパターンを想定して分析を行い、中長期的な展開方法について提案しました。
今回の案件は、AIの導入における効果を可視化した上で、関係者をどのように説得し、巻き込んでいくのかをクライアントと一緒になって考えました。だからこそ、当初は顕在化していない課題等も新たに発生しましたが、それらに柔軟に対応し、クライアントと共に課題解決を実行していきました。
AIの導入が叫ばれて久しいですが、実際にAIを導入する際の壁を一つ一つクライアントと共に乗り越えるプロジェクトは、課題解決の「実行」に重きを置いている弊社だからこそのコンサルティングです。
クライアントとの討議を重ね限りなく距離を縮めることで、よりクライアントの真のニーズ・課題に対して解決策を示していくことが大切だと考えています。