こんにちは!
ライズ・コンサルティング・グループ広報担当です。
今回は先日行われた月次研修の模様をお送りします。
この研修は、コンサルタントのスキルアップを目的に月1回開講されています。
講師は執行役員・パートナーの甲斐さんです。
この日のテーマは、「財務分析(特に損益分岐点分析)」です。
事業のビジネスモデル、コスト構造・挙動、経営戦略上の打ち手を検討する上では、売上、原価、売上総利益、一般管理費、営業利益といった制度会計上の損益計算書を読み解くだけでなく、売上、変動費、限界利益(貢献利益)、固定費、営業利益という変動損益計算書の構造で捉えることが非常に有益です。その事業が他社に比べ利益の出やすい構造なのか、売上変動に対する耐性がどうなのかといったことや、固定費ビジネス、変動費ビジネスそれぞれどのようなビジネスモデル上の特徴があり、どのような戦略・戦術が有効なのか、何に留意しなければいけないのか、等について重要な示唆を得られるためです。
研修ではまず、制度会計上の損益計算書と変動損益計算書の構造の違いを確認した上で、費用をどのように変動費と固定費に分けるか(固変分解)について、それぞれの費用の定義に基づき実際の事業の事例を用い議論しました。その際には同じ広告宣伝費でも手法によって、売上に応じて変動するもの(変動費)、変動しないもの(固定費)があること、人件費でも1年スパンで見れば固定費、数年スパンで見れば変動費と見なせるものがあることなど、事業の実態を表す上でより深く考えることの重要性を認識しました。その上で同じ売上・利益の事業でも変動費・固定費の構成や限界利益率が異なると、売上が変動した時の利益の上がりやすさ、下がりやすさが異なるので、固変分解をした上で感応度を確認しておく必要性も指摘されました。
次に損益分岐点を行う上で前提となる正常操業圏(Relevant Range)の定義について確認した上で、損益分岐点の計算方法のおさらいを行いました。最も重要なのは、変動費・固定費構造、限界利益率、損益分岐点等の情報からその事業の現状をどう捉えるか、その事業はどんな打ち手を取っていくべきかという示唆を得ることです。研修でも計算結果からどのような示唆を出せるのかについて議論を行いました。
固変分解や損益分岐点分析は非常に基本的な事項ですし、実際のプロジェクトで使用することも必ずしも多くはないかもしれません。しかしながら、経営上の示唆や打ち手を考える上では非常に重要なツールであり、自在に活用できることはコンサルタントとして欠かせません。
当社では、このような研修により全社的なスキルアップを図り、質の高いコンサルティングサービスを提供できるよう、今後も精進してまいります。
※この記事は2019/3/29にFacebookに投稿されたものです。