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プロジェクト紹介vol.146:大手メーカーに向けたロボティクス事業探索支援

こんにちは!
ライズ・コンサルティング・グループ広報担当です。
今回は、当社が支援させて頂きました、大手インフラ企業様への新規事業立ち上げ支援についてご紹介致します。

■ プロジェクトの背景
日本国内の製造業の生産工程や陸運・倉庫業の物流工程等においては、人口減少に伴う労働力の減少や、過酷な労働環境の忌避等によって労働力の不足が顕在化しています。一方で、特に物流工程においては、EC市場の急拡大によって配送品の小口・多品種化が進み、配送量が急増しています。このため、生産工程や物流工程においては省人化・自動化のニーズが高まっています。具体的には、従来、人が実施していた作業をロボットにより代替することで、省人化と作業効率の改善、作業品質の均質化等が図られています。例えば、国内の物流ロボティクス市場の規模は、2020年175億円から2030年1,510億円へ8倍以上に拡大すると予測され、有望な成長市場と見込まれています。
クライアントにおいては、本業とロボティクス事業とがダイレクトにはリンクしないものの、本業で培われた技術を応用することで、従来にはないロボットを世の中に提供できる可能性がありました。本プロジェクトでは、クライアントが保有する技術を応用したロボットの事業化に向けて、当該ロボットが市場で提供しうる価値の特定、競争優位を発揮しうる市場セグメントの特定、製品・ソリューション化に向けて必要な技術要素・連携パートナーの特定等について支援を実施いたしました。

■ クライアントの課題に対してどういう思いを感じたか?
本プロジェクトは、まさにライズの経営理念である「Produce Next」に合致したテーマでした。クライアントは盤石な本業の収益に支えられたいわゆる安定企業であり、VUCAなこの時代においても一定の事業予見性を見通すことができるビジネス環境にあります。そんなクライアントにおいて、本業とはまったく異なる新規市場への参入を目指す本プロジェクトは、クライアントにおける「次のビジネスを創造する」、まさに「Produce Next」と呼べるものでした。
しかしながら、クライアントにとっては完全に未知の市場への進出であることから、どのような市場・顧客が存在し、どのような価値が必要とされているのか、競合他社の動向や業界構造等、そもそもの前提条件の理解・認識からスタートする必要がありました。市場の専門性が高く、当社の支援実績もあまりない領域であったことから、当社の「Produce Next」にもつながるチャレンジングなテーマであったといえます。

■ ライズのアプローチ
本プロジェクトでは、ライズの4つの独自の手法のうち、特に「Scopeless」と「Professionals」が強く発揮されました。
「Scopeless」について、本プロジェクトでは、そもそもクライアント自身が何をどのように調査・検討するべきかの方向性を明確化できていなかったことから、調査・検討を進める過程で新たな調査項目が発生したり、予期しない検討論点が生じたりすることが多くありました。
しかし、「Scopeless」の考え方に基づき、当社では当初想定していたバウンダリーに拘泥せず、クライアントニーズや必要性に鑑み、臨機応変にバウンダリーを変更しながらご支援を実施いたしました。この結果として、クライアントが真に知りたい情報・クリアしたい論点に応えることができました。
「Professionals」について、本プロジェクトでは、ロボット業界に精通するコンサルタントの専門的な知見やネットワークを活用することで、他のコンサルティングファームでは決して提供し得ない「現場知」や「競合他社の実態」といった “生きた情報” の提供と、それに基づく実践的な戦略をクライアントへ提供することができました。各分野の専門知識と豊富な経験を持つ優秀なプロフェッショナルを擁するライズだからこそ、クライアントへ提供できた価値といえます。

■ 何が大変だったか?そのときどういう思いで働いていたか?
本プロジェクトの初期段階において、クライアントが保有する技術が従来製品にはない機能・価値を提供でき、競合に対して競争優位を発揮できる可能性が仮説として導かれました。この仮説を検証するために、競合他社製品のベンチマーク調査と何らかの評価軸に基づくカテゴライズを実施することとなりましたが、競合他社製品が膨大であること、カテゴライズに必要な評価軸が様々考えられること等の理由から、調査・分析がなかなか検証に足る水準に達しませんでした。
しかし、この初期仮説の検証はクライアントにおける新規事業への参入可否を決める一つの重要な論点であることから、本プロジェクトの中でも特に徹底的に調査し、考え抜くことを意識して遂行いたしました。

■ プロジェクト成果
本プロジェクトの成果として、ロボティクス市場においてクライアントが進出すべき個別市場と想定顧客、競争優位を発揮するための戦略、製品・ソリューション化に至るための技術要素獲得ロードマップを策定いたしました。

■ プロジェクトを通じて得られた経験
本プロジェクトは当社としても経験値が低いテーマ・領域でした。実質的にゼロからのスタートではありましたが、幸いそれはクライアントも一緒だったため、二人三脚でビジネス・市場を理解しながら手探りで新規事業を創造する、まさに新規事業プロジェクトの醍醐味を味わうことができました。インダストリーカットのないライズだからこその経験であり、未知のテーマ・領域にも果敢にチャレンジするマインドを体現するプロジェクトとなりました。

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