プロジェクト紹介 Vol.141: 大手インフラ会社様における働き方改革のグランドデザイン策定支援
こんにちは!
ライズ・コンサルティング・グループ広報担当です。
今回は当社がご支援させていただいておりました「大手インフラ会社様における働き方改革のグランドデザイン策定支援」についてご紹介します。
大手インフラ会社様における
働き方改革のグランドデザイン策定支援
■プロジェクト背景
昨今、多くの企業が取り組む「働き方改革」。特に最近は、新型コロナウイルスの影響による在宅ワークや時差出勤など、働き方の変化が数年前倒しで到来していると言われています。
一方で、「働き方改革」という言葉ばかりが先行し、実際に何をすればいいのか?どのように推進していけばいいのか?と困っている企業も少なくありません。今回のクライアント企業もその一社でした。
クライアント企業は、数年前より働き方改革を推進してきました。
企業買収・合併により異なる風土や文化を持つ社員が在籍するクライアント企業は、特に働き方改革の進め方に強い課題を抱えていました。
方向性が定まらない、足並みがそろわない、熱量の差が大きい等の原因により取り組みが前に進まず改革の実現が難しい状況にありました。
改革実現のためには、目指す働き方に加え、企業の歴史、風土、ビジョン、戦略等を多角的に考慮した計画を立案し、実行することが重要です。
クライアント企業は働き方改革を成功させたいという強い思いの元、働き方改革支援の豊富な実績を持つ弊社をパートナーに選定いただきました。
■クライアントの課題に対して感じた思い
私たちが率直に感じたのは「クライアントの本当の悩みはなにか?」です。
直接のクライアントは改革全体を取りまとめる役割を担っていました。その一環として全社統一のグランドデザインとガバナンス案を作ってほしい、このような依頼を受けましたが、クライアントには当初から迷いがあるように見えました。
そこで私たちは、依頼の対応を進めつつ、依頼とは直接関係のない愚痴のような話にも全てに耳を傾けました。
結果として、私たちは1つの答えに辿り着きました。
クライアントの本当の悩みは「取りまとめの具体的なやり方が分からない」でした。
また、既に数十の独自の施策が走りだしている状況であること、取りまとめの予算・体制に厳しい制約があることも分かりました。
私たちはこれらを考慮した、グランドデザインとガバナンス案を整理することをプロジェクトの基本方針と定めました。
いい意味でクライアントからの依頼のみに固執せず、真に価値のある成果を提供するために行動を起こせるのはRISEの強みである「Scopeless」を体現しているかと思います。
■RISEのアプローチ
私たちは、以下の3ステップでご支援しました。
① 現状分析・調査
過去の分析・調査結果および労務データを網羅的に確認し、働き方改革に関する課題を総合的に判断しました。
結果として、約10個の全社的な働き方の課題を抽出しました。
② グランドデザイン策定
グランドデザインは全社方針を統一し「会社としてやりたいことを実現する」ために、非常に重要な役割を担います。
方針統一とは大きな異論反論がないことであり、そのためには推進中の施策(既にやっていること)を肯定することもまた重要であると考えました。
私たちは、やりたいこととやっていることを両立させるために、分析調査結果、会社のビジョン、世の中の動向から10個の改革テーマを設定しました。
これらのテーマはやりたいことを具体化したものであり、一方で既にやっていることを分類したものでもあります。
両者の総和を取ることで、全社方針を統一しつつ会社としてやりたいことを実現できるグランドデザインを策定しました。
また定量的な目標感を統一するためにKPIの策定も行いました。
③ ガバナンス整備
ガバナンス整備における大きな課題は、社員の工数が足りないことでした。取りまとめの主要メンバーは2人で他プロジェクトを兼任、サポートメンバーも通常業務で1週間に数時間稼働できれば良い方という状態でした。
そこで私たちが提案したのが「キュレーション」です。
ここでいうキュレーションとは、働き方改革に関する取り組み情報を収集し、適切な形に加工をしたうえで、全社に発信していく活動のことです。
具体的には働き方改革のポータルサイトを作り、そこで改革テーマやKPIの状況、推進中の施策の一覧などを発信していくというものです。
これが厳しい制約の中でプロジェクト全体を取りまとめるための、私たちが導き出した現実解です。
この方針はクライアントにもご満足いただくことができました。また、プロジェクト終盤には、クライアント先に出向き、ポータルサイトの構築作業をいたしました。
このようにレポートで終わるのではなく実際の構築支援や推進支援といったところまで行っていくのは、まさにRISEの強みである「More Than Report」そのものであると感じます。
■大変だったこと、その時に感じた想い
「働き方改革」という意味の広いテーマに対して、それらをどのように納得感を持たせながら定義していくかというのが難しかったポイントの1つかと思います。
このような中で、働き方改革=業務改革というような安易な結論で良しとしなかったところも、私たちらしさと思います。
またもう1点大変だったのが、ステークホルダー間でプロジェクトの進め方に対する考え方が異なっていた点です。
私たちは、ステークホルダー全員に最大限納得していただけるよう、どちらかによるのではなく第3者視点での全体の最適解をだして、都度合意を取りながら進めるよう努めました。
こういったところは、PMO案件等で培われたRISEのマネジメント手法が大いに発揮された点かと思います。
■プロジェクト成果
「クライアントに働き方改革を実現するためのスタートラインに立っていただくことができた、その土台を築く手助けをすることができた」ことが今回のプロジェクトの大きな成果です。
様々な前提や制約を踏まえた現実解をご提示できたことは大きな価値であると感じていますし、クライアントにもその価値をご評価いただけたと思います。
■プロジェクトを通じて
本プロジェクトは仮説構築→検証のサイクルを繰り返す、いわゆるコンサルらしい案件ですが、抽象的且つ制約も多いことから、個人的には難易度の高い案件でした。
正直に言うとRISE内部で揉めた時期もありましたが、私たちは「コンサルタントとして学ぶこと、得られたことがたくさんあった」と短期間ながら大きな成長を実感しています。
働き方改革は支援機会の多いテーマで、RISEとしても今回蓄積したナレッジをもって、更なる価値提供の礎を築いていきます。
働き方改革の推進に課題を感じている方は、ぜひ一度RISEにお問い合わせください!
~プロジェクト紹介記事はこちらから~